君がいれば・・・②
「セナ、今までの態度を許してくれ」



土下座とまでは行かないが対面に座った祖父はテーブルに手をついて頭を下げた。



その姿にはシンも目を丸くして驚いている。



瀬奈はポカンとあっけに取られた顔になる。



「お前は一生懸命、良くやってくれていた それを認めようとしなかった」



「急にどうしたんですか?」



シンが信じられない顔で聞く。



「昨日、あれからよく考えたのだ セナがつらい思いで家事をしてくれていたと思うと胸が痛んだ お前が嫌いではない わたしは日本人に嫌な思い出があったのだよ……どうしても日本人を好きになれなかった」



そこで一息吐き



「すまなかった セナ」



祖父はもう一度瀬奈に謝った。



「謝られてももう遅いですよ」



シンが冷たく祖父に言うが、瀬奈が首を横に振る。



「遅くはありません おじい様にそう言ってもらえて嬉しいです」



瀬奈の顔に笑みが広がる。



「セナ!何を言っているんだ!」



「シン、おじい様の謝罪を受け入れなくちゃ」



頑(かたく)ななシンに瀬奈は言い聞かせるように言う。




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