君がいれば・・・②
「セナ、君は優しすぎる 孫の俺がもう限界なんだ!」



「シン、そんな事言っちゃだめだよ」



祖父は遠い目で瀬奈を見ていた。



昔を思い出していた。



なぜ、日本人の瀬奈を受け入れられなかったのか。



昔、一途に愛した日本人の女性がいた。



わたしが親の言う事も聞かずに彼女にプロポーズした時、あの女は私を愛してはおらず、日本に恋人が居り、金目当てだった事を笑いながら告げたのだ。



あの高笑いは今でも忘れられない。



シンが日本人と結婚したいと言った時、あの女を思い出した。



瀬奈が金と名声の為に近づいたのだと考えた。



しかし、瀬奈はあの女とは違う。



なぜ、早く気づかなかったのか……。





「おじい様?具合が悪いのですか?」



ぼんやりしてしまったシンの祖父が気になって瀬奈は声をかけた。



「あ?いや 大丈夫だ」



そう言うと皺のある顔をほころばせた。



瀬奈は大きく目を見開いて驚いた。



おじい様が笑ってくれた……。



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