君がいれば・・・②
「葉山部長からマスクメロンの差し入れで~す」



外に出ていた葉山が戻ってくるとスタッフに渡した。



「瀬奈ちゃん、お茶にしましょうか」



主任の明子に言われて瀬奈は手を止めた。



「はい お手伝いしてきます」



瀬奈は立ち上がると給湯室へ行った。



給湯室に瀬奈より入社の早い女性、響子がいた。



「手伝います」



「ありがとう じゃあ、メロン切ってくれる?」



響子がメロンと果物ナイフを渡そうとした。



果物ナイフと見た瞬間、瀬奈の心臓が早鐘を打ち始めた。



呼吸が苦しくなる。



「……っ……はぁ……はぁ……」



全身が震えて瀬奈はぎゅっと目を閉じた。






< 53 / 256 >

この作品をシェア

pagetop