君がいれば・・・②
「おそらく、昨日ファンに倒された時にショックが甦ったのでしょう」



精神科医ではないのではっきりといえないがおそらく十中八九そうだと思う。



「……シンに絶対に言わないで欲しいの」



この事を話せば心配するし、あの事件の事でシンは自分を責めてしまいそうだ。



「セナ様……」



「ショックが冷めれば治ると思うの　だから言わないで　シンに心配かけたくない」



必死の顔で頼まれてはドヨンは頷くしかなかった。



「ありがとう」



しかし潤んだ瞳を見れば昨日に引き続き熱があるに違いない。



「セナ様、ホテルに戻りましょう　シン様は今日は遅くなると申しておりました」



「……はい」



そこへノックがあり葉山が入ってきた。



「瀬奈ちゃん　具合はどうだい？」


「ご心配かけて申し訳ありませんでした」


謝る瀬奈に葉山は首を振る。



「可哀想に……まだ辛そうだ　今日はもう帰りなさい　少し熱があると先生が言っていた」



葉山があまりにも頼りなげに見える瀬奈に言った。



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