君がいれば・・・②
瀬奈の韓国語もだいぶ上達したので、シンの会話は分かった。



おじい様……?



心配げに瀬奈はシンを見ていた。



「シン?」



瀬奈の顔に緊張の色が見えた。



「兄からだった」



今夜の事を瀬奈に言うのをためらってしまうシンだった。



以前、祖父に瀬奈はひどい事を言われた。



セナが祖父に会いたいと思うわけがなかった。



「お兄様が?」



「祖父に今晩夕食を招待された」



「おじい様に……」



瀬奈の顔が沈んだ。



「セナ、行くと答えたがセナは行かなくてもいいんだ」



シンは手を伸ばして瀬奈の手を握る。



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