オモイノタケ~バレンタイン物語~


「ありがとうございます。では、納車までに入金お願いいたします。何かご不安などございましたら、邑中までお電話ください」

今月3台目の車を決めてもらい、閉店時間を迎えた卓也

「邑中、成約おめでとう。明日休みやろ?この書類、俺がやっとったるから帰り」

「店長、そんな訳には…」

「明日休みたいから頑張ってたんやろ?でも出てこいって言われてるんやろ?」

「そうなんです。なので…」

「明日、午後からの1時間だけ出てこい。彼女連れて」

「彼女ですか?いないのに?」

「いてへんのに氷川に言ったんかよ。まぁ、目星ぃ子はおるんやろ?幼馴染みの…」

「あー!わかりました。帰ります!明日お願いします」

「そう、それで良いねん」

店長はそう呟いたが、卓也には聞こえてはおらず、車に乗って帰ってしまった



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