オモイノタケ～バレンタイン物語～

オモイノタケ

嫌い

「あぁ、バレンタインなんてお菓子会社の策略なのに!」

凉花はバレンタインムード漂う開店前の百貨店の中を歩く

「バレンタインなんて無くなればいいのよ!」

ブツブツ言いながら、勤務先のブースへ行く

「お疲れ様です。今月の社販は沖縄旅行だそうです。バレンタイン戦略ですが…」




凉花は某製菓会社の販売員である。

「バレンタイン直前には普段来られないお客様が来店されます。購買意欲向上の為の提案を各自考えて来てください。後5分で開店です」

バレンタインが無くなればって言ってた凉花の仕事はバレンタインにチョコを売ること

「バレンタインかぁ…。私には縁がないわ」

凉花は呟き、思い出す

幼い頃、たーちゃんと誓った事を

『いらっしゃいませ』
開店の放送と共に、挨拶が始まる