犠牲者
さよなら、私の平穏
いじめられるのは怖いけど、他の子がいじめられるのも見たくない。
そんな事を考えていたある日、事件は起こった。
休み時間、優がトイレに行ってしまったので、雪菜と美月と3人でおしゃべりをしていた。
「ねぇ、優ウザくない?」
美月が口の端薄笑いを浮かべた。
私はびっくりして、思わず美月を見つめた。
「そ、そうだね。私も思ってた!!」
そう言った雪菜の顔は引きつっていた。
じょ、冗談だよね…
だってこんなのあり得ない。
今まであんなに仲良かったんだもん。
「え、嘘だよね?」
わたしは思わず聞いた。
途端に、美月の目が鋭くなった。
しまった、聞いてしまった。
「へぇー、真奈はウザくないんだ。
行こっ、雪菜。」
そう言って去って行った美月。
不安そうに私を見ている雪菜を連れて。