ハナウタ
昨日のあの時感じていた"人に敵意を向けられる事への恐怖"は、自分のなかで小さくうずくまっているようだった。
















「蒼岸君と柏原君に取り入るために私らとお昼一緒に食べなかったんだよ。がめつーい」

「なんかさー"私、恋愛とか興味ないんで"みたいな態度とっといて超メス豚じゃん?」




男女が別れる選択の授業中。

先生の耳が遠いのを良い事に周りは喋り放題。
話題はもっぱら僕の事のようだ。


まぁ、気の済むまで言わせて置けばいいだろう。
彼女らには僕がそう見えるというだけの話だ。

僕は老人先生が朗々と話しながらつらつらと黒板に書いてある内容を写す合間に小説を開く。
そうしていつも通りの日常を過ごした。








.
< 25 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop