ハナウタ
"草"と書いて、"カヤ"。



最初からそう読む人はなかなかいない。


「そうなんだ。可愛い名前だね」


そう言って彼、柏原 京介は柔らかく笑った。

自分の名前を、そんな風に考える事がなかったから、よくわからなくて…




とりあえず僕は、曖昧に笑って返した。













空には厚い雨雲が気だるげに立ち込めている。


雨が降るかな、と一人ごちた。






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