ハナウタ
第2章 天使の梯子
変な奴だ、と思った




人間味があって

どこか人らしくない




きっとあいつは誰よりも人を嫌い


そして誰よりも愛していたんだ。



嫌う事を、嫌われる事を恐れていたから


道徳とか、効率とか、在るとかないとか、


自分の弱さを嫌って、


気にしなくても生きていくのに困らないようなこととわかってても頭に浮かんでくる事を無視できなくて


平常、変わらない存在の強さを知っていたから


平常、自分の状態に関係なく優しくできる自分でいたかったからこそ


優しさなのかエゴなのかもわからなくなって


今までの俺みたいに


流れの中に佇んで生きることすら苦に感じるくらい


そこに独りで居たんだ。









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