ハナウタ
以前、ネットサーフィンをしている最中、偶然カヤの名を見つけた。



丁寧にも読みがなもふってあり、こんな名前、他にはあまりないからすぐに目についた。







それは中学絵画コンクールのもので、出身中学を見るとかなり遠い県だった。

どうしてなんの変哲もないこんなに遠い高校―しかもこの高校の美術部にカヤは入っていない―にわざわざ入学したのか、疑問は沸いたが、そこに掲示されているカヤの過去の作品を見て、そんな疑問は忘れ去られた。






パソコンの画面越しにも伝わる異様な魅力。





優しくて、



切なげで、



懐かしいような、



新しいような、



救いがあるようで、



絶望しかないかのような…












不思議な、感覚。

まさにカヤその人のような、惹かれてやまない魅力。









聞いてはいけない気がして、俺はその事を聞く機会を逸し続けた。
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