ハナウタ
それからしばらくして、カヤがクラスの女子にシカトされてた時期、バイトの帰りに電車が止まり、俺は丁度最寄駅だったカヤの住む町で降りた。

外の雨は凄まじく、その日は両親が両方仕事で留守。


タクシーを使うには…金がなかった。






「どーすっかなー…」


「あ、電車止まっちゃったの?」




声のした方を向くと、傘をさして来たらしいカヤがいた。
手には買い物をしてきたらしいビニール袋。


事情を話すと、カヤはあっさりと「じゃあうち来なよ」と言った。










…こいつは言いかねないと思ってはいたけど、本当に言うとは思わなかった。


断ったところでこの一晩続きそうな豪雨で行けるあてがない。






俺はカヤの自宅にお邪魔させてもらうことにした。




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