ハナウタ
行った先は、あろうことか一人暮らし先らしいマンション。

俺は我が目を疑った。

一人暮らし…?っていう驚きもあったし、
普通、女が平気な顔して男泊めるか?










「…ここ、一人で住んでんの?」

「うん。そう」




そう言ってなにを気にするでもなさそうに玄関を上がっていった。
正直、苦笑。
こいつのことだから、俺を異性として意識してないとかじゃないだろう。
多分、誰でも泊めてしまうんだろう。
しょうがないからそれに続く。

ずぶ濡れだったからシャワー貸してくれて、その間に服を洗って乾かしてくれていた。



…無駄がない。




そうして居間に通される。

そこは、空虚な所だった。
生活するのに必要な机と椅子なんかがあるだけで、モデルルームなんかよりも生活感がなかった。



だけど、そこには唯一"カヤ"を思わせる物が一つ。

















カヤが描いたんであろう油彩画だった。
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