ハナウタ
二人の出会い、


親友だったこと、


カヤに好きな奴が出来た事、


それがここにいる木賀西で、境も木賀西の事が好きだったんだと言う事、


境がカヤに敵意を向けた事、


そして、カヤの自殺未遂。












「最初に見つけたのは俺だったんだ」


そこまできてようやく木賀西が口を開いた。


「俺、野球部だから、朝練でグラウンド走ってて…
そしたら、カヤが美術部の窓から見えて、声かけようと思って近付いたら、中が血まみれだった」


急いでその場にいた顧問に知らせると、急いで中に入って、カヤの名前を呼んだ。





カヤは、ぼんやりと目を開け、微笑った。



『ごめん』






カヤは、ただ一言、そう言ったらしい。






迷惑かけて、ごめん。

自分勝手で、ごめん。

馬鹿な女で、ごめん。

弱くて、ごめん。



そんな顔させて、ごめん。










「俺、責めるような顔してたのかもな」



木賀西は笑いにも至らない苦笑を浮かべた。




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