ハナウタ
死にたかったわけじゃなくて、二人のあてつけのつもりなんか、もちろんなくて…





多分、カヤはその時ひどく傷付いたんだろう。
それこそ、あいつ本人がうんざりしているくらい、あいつは弱いから。

境に注いでいた友達としての愛情が境に跳ね退けられたことが、どうしようもなく悲しかったんだ。




それをきっかけに、色んな事を不条理に恨んだり、悲しんだり、そんな感情の濁流に驚いて、嫌悪して、

絵にする余裕もなくなるくらい苦しくて、


どうにかして、溢れ出してとまらない感情を出そうとしたんだと思う、と。








木賀西は血を吐くように、言った。
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