溺愛してます!狼先輩!!!
「ふっ。なによ。
なにか言いたいことあんなら
文句のひとつでも言えば?」

「ちょっとー。
キョーコひどーい。
こいつ喋れないんでしょー?」

キョーコとかいう先輩と
2人私を馬鹿にする茶髪の先輩。

こんなことは初めてじゃないから
別にそこまで気にならない。

けどなにも言えない自分には
少しイライラする。


「あ、そーだったー。
それで佐渡原くんの
同情買ってるんだもんねー。」

私が何も言えないのをいいことに
どんどんエスカレートする
言葉の暴力。


なんで私がこんなこと
言われなくちゃいけないんだろ。


ただ佐渡原先輩が好きで
ただ声が出ないだけなのに。

なんであの子は私の声を
持ってっちゃったんだろう。

恨んだことも、
後悔したこともなかったのに
恨んじゃいそうだよ。


ユキ、
私に声を頂戴...





そう思ったときだった。


「...お前ら、
何してんだよ。」











< 114 / 131 >

この作品をシェア

pagetop