溺愛してます!狼先輩!!!
なんど呼んでも
振り返ろうとはしない優音。

そりゃ「おい」なんて言われたら
いい気はしないだろうけど
何度も無視されると
こっちもイラついてくる。

「おい!!!」

また無視かよ。

くそっ...

仕方ないから俺は
無理やり腕を引いて
優音の背後から抱き締めた。


優音は俺を
押し返そうとするけど
俺はびくともしてやらないで
「ピアノ弾いて欲しくない。」
ただそれだけ呟いた。


謝りたかったけど
口から出たのは
そんな素直な気持ちだけ。

その気持ちが優音には
聞き取れなかったみたいだが
二度は言いたくなくて
そのまま俺は優音を放し
椅子に座り興味ないメールを
見始めたのだった。













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