秘密の美男女



靴はパンプスだけど、膝より長い丈のドレスを着てるあたしは、スーツを着ている舜くんのペースには付いて行くのは大変。



「し、舜くん!」


名前を呼ぶと、足を止めてこっちに振り向く。

いつのまにか、会場を出て外に来ていた。


「なぁに?美帆ちゃん」

「は、速いよ」


一瞬、キョトンとした舜くんだけど、すぐに笑顔になって、


「もうそこだよ」

と言うと、
今度はゆっくりのペースで歩き始めた。


< 8 / 55 >

この作品をシェア

pagetop