天使に恋した悪魔


ポロ ポロ・・・


「あ、緋李?どうしたんだよ?」
私は気がつくと大粒の涙を流していた。
ほんと どうしたんだろ?
なんか 海にキスされたのを司に見られたって思うと 凄く悲しくなった。
心が痛んだ。
どうしてだろう?
ファーストキスだった。
そんな事より司に見られた方が・・・

「な、どうしたんだよ?」
なだめる様に優しく背中を擦ってくれる司。
「海、にキスされてるのっ、み、見られたって思うと悲しくなっ、て・・・」
泣きながら途切れ途切れにそういうと司は怒った。
「はぁ!?それどーいう事だよ!?」
私は話した。
家に帰ったら海が家にいて寝たフリをしてキスを奪われた事を。
「んだと!?ゆるさねぇ!!!」

司はこれを聞いて家を飛び出した。
きっと海のところに行ったんだ。
どうしよう・・・。

トクンッ

なぜか 心が温まる。
どうしてだろう?
怒ってくれた。
それが嬉しかった。
ありがとう。
「ありがとう。司ッ・・・・」
涙が床に落ちる。
これは さっきのような悲しさじゃなくて
嬉しいから。

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