天使に恋した悪魔
私と靖くんはカラオケを出てゲームセンターへ向かった。
「これでいいかな?」
「いいよ。」
二人でプリクラ機の中に入る。
記念日に撮るプリクラ。
手を繋いで。
見つめあって。


そして・・・




狭い 空間に音が響き渡る。
そっと触れ合っただけのキスの音。
あぁ 靖くん、靖くん。
ありがとう。

でも・・・
私 まだね
少し
司の事忘れられないんだよ。
ごめんね。
二人で撮ったプリクラは靖くんは携帯に貼った。



「また明日な!・・・緋李っ!」
家まで送ってくれた靖くんは私の下の名前を呼んだ。
「ぅ・・・うんっ!またねっ!靖ッ!!」

私もくん付けなしで呼んだ。
その方がいい気もするしね。
靖くん、ありがとう。
靖くんの背中が見えなくなるまで玄関で立っていた。
「・・・おい、緋李。」

「えっ?」
何年も一緒に居た人の声を忘れる訳ないわけで。
「司!!」
う、気まずい。
今更何よ・・・

「あのさ、前世の名前とか覚えてるか?エリカ・・・」

「・・・覚えてる、覚えてるわ、アン。」

「じゃあ、やっぱり緋李がエリカだったのか・・・?」

「・・・あら恵璃華ちゃんがエリカじゃないの?」
私は嫌味たらしく言った。
今まで ずっと辛い思いをしてきたのに
いきなり何言うの?
司なんか・・・
大嫌いだよ・・・。
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