天使に恋した悪魔
もしかして・・・

私は 司の言葉を思い出した。
悪い噂があるって・・・。
「や、靖くんは私の事・・・騙そうとしたの?」
私は思いきって聞いた。
そんな事する人じゃないって信じたいんだけど・・・・。
「ん?あぁ・・・やっと気づいた?」
靖くんは 薄い笑みを浮かべそう言った。
そっか・・・
私 騙されてたんだ。
「・・・確かに最初はそのつもりだったさ。」
「へ?」
靖くんの切なそうな顔に私は 思わず靖くんから目を離せない。
「俺さ、ここらじゃ少し有名な遊んでるヤツだよ?」
「嘘っ!」
「ホントだよ。知らないのなんかお前くらい。」
私は 泣きそうになるのを我慢して靖くんを見る。
「最初は騙そうと思ってた。お前は俺の噂を知らないから利用できると思った。でも・・・無理だった。気づいたら・・・気づいたら、もう・・・・・お前の事好きになってたよ。」
「靖くん・・・」
私にも 愛してくれる人がいたんだ。
「早く行けよ、司の所に。」
「でも・・・」
「好きな女の幸せを願うのは当然の事だからさ。」
「ありがとう靖くん。・・・さよなら!」
そう言って私は駆け出す。
靖くん ホントに今までありがとう。




「さよなら、か・・・女にフラれるなんざ初めてだよ。」
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