Story
多重人格
「これからは俺が守るから」
そう言った俺の言葉に苺は
「僕は守られなきゃいけないほどか弱い女じゃない」
怒りを込めたような冷めたような低い声だった。
ゾクッ…
「ま、苺…?」
名前を呼んでみる…
「僕は苺じゃない。僕は 魅音」
何言ってるんだ苺は
「苺いきなりどうしたんだ?」
「…多重人格って知ってる?」
多重…人格?
「知ってるよ。本人には記憶がないが違う人格が現れるんだろ?マレに他の人格を覚える奴もいるとか言うやつだっけ?自己防衛だろ?自分を守ろうとして違う人格になるんだろ?」
苺は…いや、苺だけど苺じゃない…。
魅音…。
魅音は クスッと笑った。