流れる雲

転校生

 「和弥おはよぉ」
 私は前を歩いている山本和弥(やまもとかずや)に声をかけた。
 「お~おは」
 和弥が振り向く。私は当たり前のように和弥の隣に行く。そして他愛もない話をしながら私たちの通っている高校のn高校へ向かう。
「今日から2年生だね。ま。うちらはもちあがりだからなにも変わらないだろうケド。」
 そう
 変わらないと思ってた。
 ずっと隣で笑いあっているような
 気がしてた。。。。

 私だけだったのかな?


 私中本えみ(なかもとえみ)と和弥は中3の時から付き合っている。和弥も私もお互い顔は悪くないからデートをしているとよく、
 「あの人たちかわいいしかっこいい♪撮影中かな???」
 とかささやかれたりした。学校でもみんなが認めてくれてるいいカップルらしい。
 
 『ガラガラ』教室に入るとみんなが「和弥おは」とか「えみぃおっはよぉ」とか声をかけてくる。中には「お!夫婦で登校かよぉ」と、からかってくる人もいる。その中でも私は一番の友達絵梨奈(えりな)を見つけると笑顔で彼女の元に行った。
 「えりかぁ。おっはぁ」
 「おはお」
 絵梨奈と私は中1の時からずっと友達で、私が和弥に告白するときもいちばん協力してくれた。
 「あ!そうそうえみさぁ。転校生くんの。知ってた?」
 絵梨奈が言う。
 「えぇ。全然知らんし~。あ。和弥は知っテルかなぁ。」
 急いで携帯を開く。そして『和弥♡』と書かれたアドレスに
『転校生来るらしいよぉ』と送った。ちらっと和也を見ると携帯を取り出していた。チラっと私を見ると口パクで『マジデ?』と言った。私はうなずく。
 「もぅ。同じ教室にいるんだから直接話せばいいのに。。。。」
 絵梨奈が呆れた口調で言う。
 「いいのぉ。口でもいえないことってあるっしょ?」
 私と絵梨奈は大爆笑する。
 
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