流れる雲
 あれ?
 私は気付いた。
 
 和弥の携帯のストラップ。。。。
 そう。彼のストラップはゼンブ私からのプレゼントか、おそろいのキーホルダーだった。でも、一つだけ知らないものが混ざっていた。それは青いうざぎのような人形で、とてもじゃないけど男の子用ではなかった。私はすかさずメールしてみる。
 『ストラップどうしたの?』
 ~♪~♪携帯が鳴る。
 『友達からもらった。』
 そうだったんだ。まいっか。
 私は軽く流していた。疑いなんかせずに。

  そしてもう1つ気付いた。

 ・・・・・・。なんか今日の和弥。おかしい。
 でも何かは分からなかった。ただ。。。ただなんか変だった。
 それは朝登校するときから気付いていたはずだった。
 
 でも私には。『それ』が何かは、分からなかった。



 「おらぁ。お前ら。席に着け!!」
 担任の伊瀬が大声を張り上げる。…この先生うるさいんだよね。。。   と思いながら携帯をしまう。そして伊瀬は大声のまま言った。
 「今日は転校生がきてるぞ!!」
 教室がざわついた。
 「入れ。」
 伊瀬が言う。『ガラガラ』扉が開いた。
 転校生が入ってきた。
 「うわっ。かわいい。」
 誰かがつぶやいた。そう。転校生はとてつもなく可愛かった。私は『ギャル』っぽいのだが、彼女は清楚なものすごく美しい女の子だった。
 「中川レナです。今日からお願いします。」
 レナちゃんは少し小さめだが、しっかりとしている声で言った。私は和弥を見る。

 ………彼は、ただ。ただ彼女をガン見していた。少し驚いたような顔で。


 レナちゃんは、クラス中を見回した。

 彼女は和弥と目が合うと少し驚いたような顔をしてから軽く、誰にもばれないように、ものすごく軽く、会釈をしたんだ。


 私は胸が張り裂けそうだった。
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