流れる雲
 「あ……」
 声が出なかった。
 
 何でおそろいなの?
 何で会釈したの?
 何で楽しそうなの?
 
 心の中ではこんなにも思っているのになにも声にならない。そしてやっとでた言葉がこの言葉だった。
 「そのストラップ。。かわいいね。」
 自分の彼氏とおそろいだっていうのは嫌でも分かる。なのになぜそのおそろいの品物を褒めてしまったんだろう後悔していた。
 「え??あ。これ?」
 彼女は少し照れてこういった。

 「あ。これ、、、、、、友達にもらったんだ。」

 ≪これ友達にもらったんだ。≫

 和弥の言葉が頭の中でうずまいた。




 
< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop