君と桜と
次の日
一時間目が始まって席に座ると、なんとなくドキドキした。
三谷君は先生が入ってくる前から既に机に伏して寝ていた。
窓から差し込む真新しい光に照らされた背中をぼんやりとみつめていると、昨日見た優しい瞳が脳裏に甦る。
――「転んで擦りむいちゃったんだね。おんぶしてあげるから・・・」
もう一度、あの優しい瞳をみられたらいいな。
バシッッ
何かを叩く音で奈緒は現実に引き戻された。
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