君と桜と



乾いた音を立てて閉じられた扉が、三谷君と奈緒の間を永遠に隔ててしまったようだ。



涙が次から次へと溢れ、顔を覆った両手からひざの上にこぼれ落ちる。




三谷君はずるい





なんで、最後まで言わせてくれなかったの?




なんで、曖昧にして行ってしまったの?






分からない


分からないよ



三谷君が、分からない。






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