君と桜と


「どうやってって、普通に、このドアから。」


「ええっ、全然気づかなかった・・・
てゆうかそもそも、なんでここに?」


「ん、廊下でパンフレットを配ってたら、奈緒がフラフラと歩いてくから。
1人だけサボろうなんてずるいと思いましてね。」



隆司はニヤニヤと笑って台本を差し出した。


反対側の手にはパンフレットを持っているから、本当に仕事中に抜け出してきたのだろう。


「ありがとう。隆司はほんとサボリ魔だもんね。」



何処かで聴いたことのあるセリフだけれど、やっぱりこうして来てくれることは嬉しい。


「なんと。聞き捨てならないな。」



なんておちょけて言う隆司も、文化祭の日はいつもよりテンションが高いのかな。





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