君と桜と
そのあとも結局他愛のないことを話してのんびりした。
悩み事は話したらスッキリするとよくいうけれど、今のぐちゃぐちゃの気持ちを無理矢理言葉にするよりは
自分の中にしまっておいたほうがずっと楽だった。
一人でいたら、もっと沈んでしまっていたことだろう。
「あ・・・」
「あっという間に一時間たっちゃったんだね。
授業受けてる間は長いのになあ。」
「うんうん、実際には同じ時間でも、なんか不公平な感じがするよね。寝ちゃった時とかもあっという間だもん。」
「奈緒は寝てばっかりだから、いつもあっという間なんじゃないの?
でもまあ、今日はもう一時間サボってもいいかな~」
「さすがにそれは・・・たまにはいいかもっ!」
「アハハっ奈緒のサボり魔〜」
「いつもは真面目ですっ」
「居眠りしてる人は、真面目とは言えません!」
「眠くない時は、真面目なの!」
気づけば軽く冗談が言える程に落ち着けていて。
今なら笑顔で教室に戻れる気がした。