君と桜と

「・・・・・・」



「え、まさか私、スベッた！？」



き、緊張のあまり変なことを口走っちゃった・・。
スベッたって、芸人じゃあるまいし・・。


奈緒が脳内ツッコミを入れていると、
隆司はようやく理解できたのか、いつも以上のタイムラグで返事を返した。



「よろしく。」



「・・・反応遅すぎだよ。」



「ごめん・・・意外だったから。


でも、嬉しい。ありがとう。」




「う、うんっ！」



隆司に頭を撫でられて、思わず声が上擦ってしまう。




恋人同士ではなくても、こうして隆司と笑い合っている時間が好きだと思った。




私、今、結構幸せかもしれない。