君と桜と


こういう自然の雄大さを目の当たりにすると、



自分が幸せに感じたり、悩んだりしていることはちっぽけな事なんだと実感させされる。


だから不思議とここでは、考え込んでいても深く沈んでしまわないで、前向きに考えることができた。



だけど、幸不幸は他と比べられるものではないから。



それらを精一杯受け止めることが大事なんじゃないかと思う。



もし隆司がなにか苦しみを抱えているのだとしたら。


代わってあげることも、理解してあげることも、場合によっては難しいかもしれない。


だけど、いつも通り、近くにいることはできるよ。



この一年間




たくさん笑って


たくさん泣いて



過ごした日々は


きっと宝物になる。


そう思えるから。

そう思えたことを、隆司にも伝えたいから。




「あっ」




奈緒は宝石の様に輝く1番星を見つけて静かに微笑んだ。












< 150 / 205 >

この作品をシェア

pagetop