君と桜と

色褪せた世界



「あっ、絢と同じクラスだ!
それに・・・」





三谷 隆司





箕輪奈緒の上にまた、その名前はあった。




「隆司も・・・」


また、今年も隆司のそばにいられるんだ。


そう思うと、頬が緩むのを止められない。



「奈緒ーっ!早く来なさーいっ!」




声のした方を振り向くと、
絢が教室の前で手を振っていた。



去年もこんな感じだったよね。


そんな些細なことも嬉しくて。



奈緒は教室の入り口で待つ絢の元へと駆け寄った。



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