君と桜と
「今日で一週間だよ・・・」
始業式の日から丸一週間、メールの返事もないまま、隆司は学校を休んでいた。
「ほんと、どうしたんだろうね。」
「電話してみても繋がらないし・・・どうしようっ」
不安で不安で、涙が溢れそうになってしまって。
俯く奈緒の背中を、絢が優しく撫でてくれる。
「落ち着いて、奈緒。」
「だって・・・心配なんだもん。」
そんな子供みたいなことを言ってしまうほど。
隆司がいない学校はぽっかり穴が開いたように淋しかった。
「先生に住所聞いて家に行ってみよう、ね?」
「でも、迷惑になっちゃうかもしれないし・・・」
「そんなことを言っても、連絡が取れないんだから仕方ないじゃない。
私は腑抜けた奈緒の方が心配になってきたくらいよ!」
「うう、そうだけど・・・」
奈緒は日に日に不安が募り、3年生になったにも関わらず、もうすっかり授業どころではなくなってしまっていた。
「よし、そうと決まったら職員室に行こう!」
「えっちょっとまって・・・!」
奈緒の言葉を無視して、絢はぐいぐい腕を引っ張っていく。