君と桜と



そう言って微笑んだお母さんは、よく見ると相当疲れが溜まっているようだった。



「いえ、そんな・・・
私たちこそ、そんな事情があったなんて知らずに押しかけてしまってすみません。

蘭ちゃんは、大丈夫なんですか?」




「手術は今週の日曜なの。
私だけ昨日から荷物を取りに帰って来ててね。」




「そうですか・・・」




「タイミングよく会えて良かったわ。」




絢がお母さんと話している間、奈緒は黙って俯いていた。







手術なんて・・・


家族がみんな健康な私には想像もつかない。










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