君と桜と
なんで私が気にしてるってわかったのだろう。そんなに表情にでてたのかな。
「とにかく、昨日置いておいてくれたお菓子とお手紙はちゃんと渡しておくから。」
お母さんはポンと頭を撫でてくれた。
その手の温もりが隆司のと同じで、じーんときてしまう。
「・・・ありがとうございます。」
「ふふっ
奈緒ちゃんも、頑張るのよ?」
「へ・・・!?」
見上げると、お母さんはいたずらっぽく笑っている。
それもまた、隆司とそっくりに。
「まあ、隆司もバカじゃないから奈緒ちゃんの気持ちには気付いてるんじゃないかしら?」
「え、気持ちって、そんな。」