君と桜と
そして月曜日
「もしもしっ!」
放課後帰る支度をしていると、携帯の着信音が鳴った。
名前を確認することもなく慌てて出ると、電話は予想通り隆司からで。
「あ、奈緒・・・?」
久しぶりに聞く声に、それだけで涙が出そうになる。
「あ、その、どう、だった・・・?」
隆司が答えるまでの間がものすごく長く感じた。
ドク、ドク、と自分の心音がうるさい。
「成功。」
「ほ、ほんとに・・・?」
「こんな事で嘘なんかつかないし。」
成功、たった二文字を聞いただけで一気に緊張が解けた。
ふらふらとイスに座ると次から次へと涙が溢れてきた。
「よっ・・・よかったあ。
ちゃんと届いた、んっ・・・だねっ」
熱い涙は止むことを知らず次々に零れ落ちる。
「相変わらず菜緒は泣き虫だな。」
電話の向こうで隆司が静かに笑ったのが分かった。