君と桜と
「絢、おはよ〜」
「おはよっ
今日はずいぶん早いね!
はは〜んなるほど、分かったわ!
三谷に会えるから早起き出来たんでしょう!?」
絢は腕組みをして、全てお見通しだ、とでも言いた気だ。
でも、残念。絢ちゃん、不正解です。
「・・・その逆だよ。」
奈緒は弱々しく返事をした。
「えっ・・・?」
「全然眠れなかったの。
・・・緊張しちゃって。」
結局、過去にに戻れたら、なんて考え始めたら止まらなくなってしまって。
落ち着こうと思ってアルバムを開いたのは逆効果だったようだ。
「ぶっ・・・ハハッ
奈緒・・・それは罪だよ。
かわいすぎる。
坂城も、そんなこと言われたら参っちゃうよねえ。」
「うはっ、うん・・!
なっちゃんらしいというかっ、いいと思うよ。」
奈緒の後から教室に入ってきた坂城君にも、タイミング悪く聞かれていたようで。
笑いながらいいと思う、なんて言われても全く説得力がない。
「もー2人とも、笑わないでよっ!
寝不足でフラフラなんだからね・・・」