君と桜と
「ごめんごめん。
それで、三谷は授業出ないの?」
絢はきょろきょろと見回して、隆司が来ていないことを確認したらしい。
「うん、授業は明日からだって。」
朝からげっそりしている奈緒の代わりに坂城君が答えてくれる。
「そっか。
じゃあよろしく言っといてね、奈緒。」
「うん・・・」
いよいよ、今日なんだ。
実感が湧かないくせに、緊張だけが高まり続けていたせいで、朝からものすごい疲労感を感じていた。