君と桜と
「無理だよ・・・。
もうこうなったら、坂城くん、お願い!」
絢の隣の席に座っている坂城君にお願いしてみる。
坂城君はマンガを読んでいるようだけれど、しっかりと今の会話をきいていたらしい。
「だーめ。
なっちゃんと2人でいたら、あいつ、絶対怒るし。」
「そんなことないよ、ね?」
「俺に甘えるくらいなら隆司に甘えたほうがいいと思うけどなあ。」
そう言って、坂城君もマンガをしまうと、カバンを持って立ち上がった。
一方奈緒は、ヘナヘナとその場にしゃがみ込むことに。
午後の授業中目一杯寝たのでもう眠くはないのだけど、今度は緊張で力がはいらなくなってしまったのだ。
「じゃ、あたしたち行ってくるから!」
絢はそんな奈緒の様子に構わずポンと奈緒の頭を叩いて坂城くんを連れて行ってしまった。