君と桜と

新しいクラス



始業式の朝


クラス発表を見て教室に集まった生徒達は、馴れない空気にそわそわして朝からざわついていた。

毎年おなじみの四月の光景



そんな中、窓際の席に座って静かに読書をする男の子が一人。
彼は新しいクラスメイトにはまったく興味がないのか、騒がしい教室の中でも顔を上げることなく本を読み進めている。



「ねぇこれ、三谷君のぉ?三谷君って以外とかわいい趣味なんだね。ねっ遥もそう思わない?」



「うん、意外すぎる〜!!」



その男の子、三谷隆司の静寂を壊したのは彼と同じクラスの女の子二人組、結衣と遥だった。

一歩下がったところで見ているだけの遥とは対照的に、結衣はキャッキャッと笑いながら隆司が本に挟んでいた栞を手に取った。






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