君と桜と
「風のせいか・・・」
どちらともなく窓のほうへ目をむけると、青の上に夕日のオレンジ色が混ざった、昼間とは違う美しさに見とれた。
心に染み渡る、懐かしい気持ちを呼び起こさせる風景だった。
ちらっと三谷君を見上げると、とても穏やかな表情をしていた。
やっぱり、三谷君はいい人なんだろうな。
本当に冷たい人は、きっとこんな表情できないよ。
そんなことを考えていると、また三谷君と目が合ってしまった。
やだ、またじっとみてたのがばれちゃった!
どうしよう・・・今度は何か言わなきゃ!