君と桜と



「・・・本当に好きなんだ。
いちごミルクも。」


三谷君はゆっくり顔をあげ、そう言って坂城君に向かって一言そういった。



゛本当に゛
゛いちごミルクも゛



えっ・・・?


坂城君に対して言うには少し不自然な言葉に奈緒は立ったまま三谷君を見つめる。


よく見ると三谷君の肩が心なしか震えているような気がする。


どうしたの・・・?


気になって覗き込むと、三谷君は口元を手で押さえて苦しそうに・・・笑ってる!?



「奈緒!!急にどうしたのよ!?」


「えっあっ・・・」



絢に言われて自分の状況を飲み込んだ奈緒は真っ赤になって座る。


「箕輪、急用でも思い出したの?」


絢の声に反応して坂城君まで奈緒の方をみる。



「ぼけっとしてると思ったら、急に何なの?大丈夫?
早く食べないと昼休み終わっちゃうよ!」



「うん。なんでもないよ。ハハ・・・」



絢は呆れている様子。


もう、笑ってごまかすしかない。



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