君と桜と
「それにしても、三谷って見かけによらず、かわいい趣味してんな。びっくりしちゃったよ。」
坂城君の関心が三谷君に戻ってホッとする。
「・・・よく言われる。それと、隆司でいいよ。」
「おう!俺も翔太で。」
無口な三谷君と明るい坂城君は正反対のようだけれど、以外と気が合うようで楽しそうに会話をしていた。
奈緒はどっと疲れを感じてミルクティーにストローをさして飲む。
口に広がるミルクティーの味がいつもより甘い気がしたのはきっと気のせいじゃない。
三谷君の背中に向かって、心の中でそっとつぶやいた。
‘ありがとう’