君と桜と
「そこまでわかってるなら、後一歩だ。」
三谷君の説明はとても分かりやすかった。
答えを教えてくれるのではなく、まるで先生のようにきちんと考える道筋を教えてくれる。
だけど、目が合う度にどきどきしてしまって逃げ出したいような気分になるところは、先生とは大違いだ。
ふと奈緒を見る瞳に吸い込まれてしまいそう。
三谷君の目、きれいだよなあ。
直視できないよ。
「・・・分かった?」
「あっう、うん!ありがとう!
三谷君て頭いいんだねっ。
いつも寝てるのにすごく分かりやすくて!ってあっ・・・」
慌てて手で口を覆うけれど、もう遅い。
ぼーっとしてたせいでつい余計な事を言っちゃった!!
「ご、ごめんなさいっ」
「箕輪さん」
「はい・・・」
恐る恐る三谷くんを見上げると・・・・・・