君と桜と


三谷君は額に手をあてて笑っていた。



「面白い・・・。」


「え・・・?」


「怒ってないけど。」


「ほんとに?」


「俺、そんなに怖い?」


「うん。いやっちがっ・・・怖くないよ!三谷君、いい人だよ!」



うわあ、また失言してしまった。


今すぐ逃げ出してしまいたい。
いくらなんでも失礼すぎるよね・・・


「ふはははっ・・・!限界。面白過ぎる。」


へ・・・?


三谷君は今度はお腹を抱えて笑い出した。周りのクラスメイトたちも、何事があったのかとこちらに注目し始めていた。


奈緒は訳がわからなくなる。

大人しくて、気難しそうなイメージの三谷君はどこへ行ってしまったのだろう。

三谷君って、笑い上戸だったの・・・?






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