君と桜と


「ごめん・・・笑いすぎた。」

やっと笑いが収まった三谷君を、奈緒はしげしげと見つめる。


「・・・キャラが掴めない。」


「キャラ?」


「正直、こんなに茶目っ気がある人だとは思ってなかったよ。」


「茶目っ気って・・・」

「いや、ほんとに三谷君もおもしろいからね!?」


「ちなみに俺、化学は真面目に授業聞いてるから。」



三谷君は奈緒の言ったことをさらっと流すと、涼しい笑みを浮かべて前に向き直った。



さらっと流されたよね!?今!!
な、なんか悔しい!


奈緒は三谷君の背中に向かって思いっきりむっとしていたけれど、もちろん三谷君は気づく事はない。





< 34 / 205 >

この作品をシェア

pagetop