君と桜と
「ごめん・・・笑いすぎた。」
やっと笑いが収まった三谷君を、奈緒はしげしげと見つめる。
「・・・キャラが掴めない。」
「キャラ?」
「正直、こんなに茶目っ気がある人だとは思ってなかったよ。」
「茶目っ気って・・・」
「いや、ほんとに三谷君もおもしろいからね!?」
「ちなみに俺、化学は真面目に授業聞いてるから。」
三谷君は奈緒の言ったことをさらっと流すと、涼しい笑みを浮かべて前に向き直った。
さらっと流されたよね!?今!!
な、なんか悔しい!
奈緒は三谷君の背中に向かって思いっきりむっとしていたけれど、もちろん三谷君は気づく事はない。