君と桜と
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「ふーっ
ギリギリ間に合った!えっと、クラスは2年・・・」
「なーおっっ!相変わらず遅いわね。
あんたはこっち!」
今にもチャイムがなろうかという時間。
始業式の日だというのにギリギリに到着した奈緒が廊下の掲示板に張り出されている名簿を見ていると、むこうの教室のドアから親友がこちらに向かって手招きをしていた。
駆け寄りながらも、ひとつの希望に胸を膨らませる。
「もしかして同じクラス!?」
「そうなの!
奈緒〜っやったね!!」
絢も負けないくらいの笑顔で、奈緒が期待していた答えをくれた。
「絢〜うれしいっ」
「あははっ苦しいよっ」
嬉しさのあまり抱き着く奈緒を、絢は笑って受け止めてくれる。
マイペースで女の子のグループ作りに疎い奈緒にとって、絢は良き理解者であり、親友だ。