君と桜と
「あーすっきりしたっ!」
奈緒は満面の笑みを浮かべて伸びをする。
「なんだあ・・・期待して損したかも。」
それとは対照的に絢はなんだか元気がない。
「ん!?どうかしたの?絢もなにか悩み事!?
それなら一度自分と向き直った方がいいよ。」
奈緒は絢の背中をポンと叩き、足取りも軽く教室に戻っていった。
「あたしは絶対恋だと思ったんだけどなあ・・・つまんない!」
絢はため息混じりにそう言って肩を落としたのだった。