君と桜と


はなまるをもらった問題は、レポートを再提出するときに三谷君が解説してくれた分野から出題されたものだった。


実はレポートを提出したあとに、せっかく教えてもらったことを忘れてしまわないようにと、ノートにまとめて復習していたのだ。


進んで勉強をしたのは、ちゃんと解けるようになることが、教えてくれた三谷君へのお礼になるんじゃないかって、そんな勝手な理由からだけれど。



ちゃんとテストで結果を出して、伝えることができた。
それが、とても嬉しくて。



些細な進歩だけれど、奈緒にとってはこれまでテストでは味わったことのない、大きな喜びだった。




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